陶芸をするにあたってはなくてはならいものの一つ、それは焼成する窯です。 窯の種類は主に薪窯・ガス釜・灯油窯・電気窯となります。 それぞれに利点と特徴があります。 電気窯は静かに、煙も少なく、均一に焼けます。ただ電柱から動力を引いてくる電気工事が必要になります。電線・電柱から遠い所ではその分電気工事のコストがかさみますが、煙を出せない東京などの都市では一番多く使われているのが電気窯ではないでしょうか。 窯の内部に張りめぐるジグザグ状のものが、電熱線です。この電熱線が熱を発して窯内部の温度を上昇させていきます。 この窯の電熱線はパイロマックスcという還元焼成でも切れにくい太い電熱線に張り替えています。なんと言っても焼成中に電熱線が切れてしまうことが陶芸家として一番の恐怖。一度切れてしまえばどうすることも出来ずに途中で終了。窯が自然徐冷するのを待って、すべて作品取り出して、修理するしかありません。
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電気窯の搬入・移設
この窯は学生の時に大学の近くの廃業した陶芸教室から中古で買い取った物です。すでにそれから10年が経ち、窯内部の耐火レンガが内側に反り返って鉄枠との間に隙間ができ、焼成中に熱膨張で余計隙間が開き大分熱が漏れ釉薬の溶けがだんだん悪くなってきました。
ただ温度は最高温度までちゃんといくので、この窯は縁あって陶芸家ほど微妙な焼成が必要としない多摩美の彫刻科に引き取って頂きました。彫刻もテラコッタなど粘土の焼成もあり、学生の皆様にこの後もずっと使って頂けること大変ありがたいです。
新しい窯は東京陶芸器材の上蓋式電気窯を入れました。窯は1トン以上あるので、ユニックというトラックで吊って運搬されます。下ろした後はハンドパレットトラックで人力で転がしていくので、段差があったり遠いと搬入は大変となりますが、窯屋さんの職人さんがすべて対応して下さいますので安心です。