窯詰め

窯詰めは薪窯であろうとガス窯であろうと電気窯であろうと基本は変わりません。一番下の段から順に棚板の上に作品をのせて、つくやコロと言われる支柱をたてて、また棚板をのせて作品のせてつくをたてて棚板のせて…の繰り返しで上まで積んでいきます。

これは素焼きの窯詰めなので、作品同士が触れていたり重ねて詰めても問題ありません。本焼きでは作品同士が触れていると表面の釉薬が溶けて作品同士がくっついてしまいます。

また棚板は支柱の”つく”3点で支えるのがいいです。3点だとどこかが浮いていることがあり得ません。4点だと一点どこか少し隙間が出来て浮いていることが多く、棚板揺らすとカタカタしたりします。3脚は完全に安定している形なんですね。この窯のように棚板2枚並べて一段の時には、一段に5つの支柱をたてます。真ん中の支柱は半分ずつのせて一枚の棚板に3カ所で支える様にします。

5段目

作品の高さが違う場合には支柱の高さを変えて段違いにします。天井ギリギリまで詰めたら窯詰め終了です。素焼きなので低い温度830度まで大体9時間くらいで温度を上げていきます。

電気窯の焼成は、焼成装置によって温度を上げていきます。焼成装置によっては全自動でプログラムを予め入力しておけばそのグラフ通りに自動で焼成を行ってくれます。ただ窯は上段と下段で温度差が必ずあります。全自動焼成のプログラム式だと温度計が一点で計るので温度ムラ、焼きムラが生じます。

これはサイリスタ半自動焼成装置です。上段・中段・下段の電圧を自分で自由に操作できます。なので電圧を細かく変えて上中下の温度を調整することが出来ます。温度差をなくすことだけではなく、上段と下段で温度差を意図的に作ることが出来るので溶解温度が違う釉薬も焼成できます。ただプログラム式のように勝手に昇温してくれないのでずっと本焼き中15~17時間窯番をする必要があり断然手間はかかるのですが、その時の窯の焚きの具合で焼成の微調整ができるのでありがたいです。

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